■プロフィール

tamaki

Author:tamaki
FC2ブログへようこそ!

■最新記事
■最新コメント

■最新トラックバック

■月別アーカイブ
■カテゴリ
■検索フォーム

■RSSリンクの表示
■リンク
■ブロとも申請フォーム
■QRコード

QRコード

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
たくさんの人に支えられて農業やっています
 大震災から1ヶ月。被災地では依然として不自由な暮らしを強いられている方がたくさんいらっしゃいます。原発も安全な状態にするまで半年以上の期間を要すると聞きます。人間が作ったものを人間が制御出来なくなってしまうチグハグさ。その不可思議なエネルギーの力を甘受していた私は、原発反対論者ではありませんが、溢れんばかりの資源に依存している今の生活をもう一度、自分自身の中で見直す良い機会になりました。
 
 というのも、今回の震災が私たちの農園に意外と多くの影響を及ぼしました。震災の翌日、困ったことは停電で井戸水をくみ上げるポンプが動きませんでした。また、水も断水していたために野菜に与える水がありませんでした。幸いなことに3月だったので気温がさほど高くならなかったので、数日は野菜の苗に水を与えなくても枯れたりすることはありませんでした。その後、ガソリンが不足する事態に陥った時には耕運機を動かすための燃料が無くなってしまったらどうしよう・・・という懸念がありました。人間が農具を使って土を耕すスピードの何十倍もの能力を持つ機械無しでは野菜を販売する商売は成り立ちません。

 そして、野菜の種が手に入らなくなったらどうしようという不安。野菜の種はタネ屋さんだけでなくホームセンターでも簡単に買うことが出来るためにほとんどの農家は、野菜の種をあらかじめ買いだめすることはありません。野菜の種は保存状態がいい加減な場合、例えば、直射日光に長時間当てたり、湿度の高い場所に放置したりすると簡単に発芽率が下がってしまいます。私達の農園では、サラダミックスのような定番野菜を計画的に2週間に1度の頻度で種まきをするのですが、震災によって店を閉めているところが多く、また、注文してもすぐに納品されず、栽培計画にたくさんの乱れが生じました。

 現代の農業は、インフラの整備なしでは存続することは難しいです。井戸水が無くても天水(雨水)に依存した稲作・・・クワ1本で1坪の農地を耕す大変さ・・・種は自家採取して保存しなければならない・・・どれも食糧不足で悩んでいる途上国の現状と重なる部分です。私達の農園の田んぼは幸いなことに田んぼへの被害は無く、灌漑水も4月中旬には田んぼまで引くことが出来ました。しかし、津波で塩水を被ってしまった九十九里海岸に近い地域の田んぼでは、灌漑水や川の水を引き入れ、代かきを行い、そして排水をする作業を繰り返し行っています。塩分濃度を薄くするための骨の折れる作業です。それでもなお、まともなコメが作れるかどうかという不安を抱えています。内陸部の香取市では、田んぼが液状化によって陥没したり、沼沢化したりで使い物になるかどうかという悲惨な状況に陥っています。さらには、灌漑水を利根川から引き込むための送水管がいたるところで破損してしまったために灌漑水が届かない田んぼもかなり多くあります。

 しかし、こういった状況下にあっても農家の皆さんはどうにか復旧させて、稲作畑作を1日でも早く再開したいと頑張っています。思いつつも、実際、農家が最も懸念していることは「風評」によってコメの価格が下落してしまうことです。例年なら1俵14,000~15,000円で取引されているものが、1俵1万円を割る事態になったらコメを作る農家は激減すると思います。しいては、高齢者の農家の方がリタイアする要因にもつながるでしょう。そうなると、遊休農地はますます増え、日本の国土は荒廃してしまいます。旭市産の野菜は、4月23日収穫分から出荷をしてもよろしいという解除の通達があり、ひとまず区切りがつきました。旭市の農家の方が解除を指折り数えて待ち望んでいたかというと必ずしもそうではありません。出荷規制が出るとすぐに対象作物を廃棄した農家がほとんどでその後、すぐに種を播いても23日の時点では、出荷可能なサイズまで生長していません。また、廃棄せずに残しておいたとしても育ちすぎて旬を過ぎてしまっており、出荷することが出来ません。そのため、規制解除は単なる通過点であると思っています。大変なのは、これから「旭市産」というレッテルを早急に払拭することだと考えています。

 先日(4月9日、10日)、青山のファーマーズマーケットに出店させていただきました。地元の若い生産者の方々と共に、風評被害を無くそうということが目的でした。その時、一番大きく感じたことは、「東京の消費者の方は風評なんて全く気にして無い!!」ということでした。旭市から来ましたと張り紙や口頭で説明をすると、「じゃあ危ない野菜なの?」とか「遠慮します・・・」という反応があるんだろうなとある程度の覚悟をしていたのですが、お客さんの口から出る言葉は、「大変だったね。畑や田んぼは大丈夫?」とか「旭市産ならばもう1品追加で買っていくわ」という温かい言葉ばかりでした。風評を一番気にしているのは、市場や中卸し、そして、スーパーなどの量販店の方であり、そのため、旭市産の野菜が流通に乗っからないから都内で販売されず、一般の消費者の元に届きづらいのだというカラクリを良く理解することが出来ました。

 青山での出店と歩調を合わせて、都内で毎週、当農園の野菜を購入していただいている各レストランにお願いをし、旭市産の野菜を使った限定メニューをそれぞれのお店で提供してくれることになりました。レストランのシェフに今回の青山への出店の目的を説明し、恐る恐る限定メニューの話を切り出したのですが、私の不安など消し飛んでしまうほど、すっきりとした二つ返事で了承してくれました。「そういった提案をしてくれて嬉しいです」とか「やらないわけ無いでしょ」と、とても感激しました。その後、急ぎ気味で(出店を決めてから期間があまり無く、ファーマーズマーケット事務局の皆さんにもブースの確保など慌しくお世話になりました)旭市限定メニューの食材の選定(旭市の美味しいジェラートを作っているホームオブマザーズの宇畑さんが旭市産トマトのジェラートを各店舗に提供)、チラシの作成(フリーでライターをしている柴山ミカさんが無償にて作成してくださいました)、出店者の方々への事務連絡などなど・・・準備段階の疲れも、青山でのお客さん皆さんとのやりとり、また、手伝いで集まってくださった皆さんの励ましにより、瞬く間に吹き飛びました。

 今回の震災は、冒頭でも述べたのですが、色々なことに気づく機会となりました。農園を立ち上げてから一貫して「安心安全」をうたってきた珠樹自然農園ですが、放射性物質の影響で「旭市産」という枠の中に農園も置かれていて、「危険な野菜」という風評レッテルを貼られたくない!という強い思いが芽生え青山に出店したり、レストランに旭市限定メニューをお願いしたり、テレビ局の取材を受けたりして、旭市産しいては当農園の野菜は風評被害に負けないぞ!と気を張ってきました。その中で気づいたことは、「珠樹自然農園は、たくさんの人に支えられているんだ!」ということです。お店のお客さん、定期購入の宅配のお客さん、毎週購入していただいている料理人の皆さん・・・まだ、農園を開いてから5年ちょっと、がむしゃらに野菜を美味しい野菜を皆さんに届けたいと頑張っている間に「信頼関係」というものを多少は構築することが出来ていたことに気づきました。このことは、「お客さんとなるべく近い距離で野菜のやりとりをしたい」と思っている私達にとってかけがえのない喜びです。

 出荷規制の解除はされた旭市ですが、これからの風評被害にどう立ち向かっていけば良いのか・・・市町村が行なう対策ではカバーしきれない部分、そこを民間のパワーで出来る限りの応援をしていきたいと思っています。そして、皆さんからいただいた信頼を損ねないように日々、美味しい野菜を作り続けていきます。これからもよろしくお願いいたします。


珠樹自然農園の美味しい野菜をどうぞ♪

スポンサーサイト

テーマ:東北地方太平洋沖地震 - ジャンル:日記

徒然なり | 22:08:39 | トラックバック(0) | コメント(0)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。