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本年もよろしくお願いします
旧年中はたいへんお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

 年末の慌しさが正月を迎えたとたんにゆったりとした流れになり、ほっとしたのもつかの間、七草粥を食する頃にはいつもと変わらない畑の日常になります。その頃になると「もう休みが終わってしまった…」という残念な気持ちと、「いつものペースに戻った」という安心感が混ざった複雑な気持ちになります。さらには「新しい年を迎えて今年の目標は…」などと心の中で決意表明をしてみたり…。

 しかしながら、子供の頃と比べて年末年始のワクワクする気持ちが薄れてしまったなと自分の中で気づき、少し寂しい気持ちになりました。小学生の頃は、冬休みに入るとすぐに宿題をあらかた片付けて、年賀状を楽しく書いたり、クリスマスをウキウキした気持ちで迎え、年末の餅つきを祖母の家で行い、その後の大晦日までの数日は家の大掃除や新年の準備を手伝ったり、何をしていてもワクワクしていました。もちろん、40歳に近くなったこの歳になっても、新年に対する希望や新たな決意はあります。しかし、成人前は「新しいこと、未経験なこと」を多く望んでいたのに対し、この歳になると「再発見、再生、延長上の発展」という良かれ悪かれこれまでの積み重ねを土台にしたことに期待をするようになったことが原因だと思います。ということを気づいたので、今年は子供の心…冒険心や遊び心を持ちながら、日々の農作業に取り組もうと思います。

 「今年の冬は寒い!」以前にも書いたかもしれませんが、新年になっても寒さはますます厳しくなっています。今年の冬は潅水用のホースの中の水や鶏の飲み水が毎日のように凍っています。田んぼに溜まった水も日陰の場所は一日中、凍ったままであったり…なによりも朝方、農作業をしている自分の手と足が冷たいのを通り越してしびれてきます。9時頃になるとようやく血行がよくなって動きがよくなります。この頃になると野菜の葉っぱも凍っていたのが青味を帯びて、寒さなんて何事もなかったような姿になります。野菜ってたくましいなと思います。

 正月休みの合間に書店で何冊かの本を購入しました。ひとつは、限界集落を再生するために若者が奮闘するという本。もうひとつは、現代の農業に対する批判書です。前者は、面白おかしく、私も田舎に住んでいるために共感する部分が多々あり、楽しく読破することが出来ました。後者は、冒頭から日本の農業はハリボテ農業であると言い切っています。どこにその根拠があるのだろうと読み進めましたが、なかなか掴むことが出来ません。中盤まで読み進めましたが、どうにもこうにも気分が悪くなって読むのをやめてしまいました。「消費者が馬鹿舌だから偽者の有機農家を増やしている」とか「有機農業は環境汚染の最たるものである」という内容に我慢が出来なくなりました。

 私がここまでナーバスになるのには理由があります。私が農家になった訳…それは、私が若かりし頃といっても20代後半の時期ですが、ある大学で研究者の道を目指して勉学に励んでいました。途上国を研究対象としていたために日本の農業とはほとんど接点がありませんでした。その時の指導教官が酒宴の席で言いました。「私は自慢じゃないが野菜は作れない。しかし、土を分析すれば、何が足りなくて何が余っているのかは一目瞭然だ!それを修正してあげれば、理論上は野菜が作れるのだ!」この言葉を聞いた時に私はとてつもない衝撃を受けました。農学は農家のための学問ではないのか?農業があって初めて存在する学問ではないのか?それまで尊敬していた指導教官からの一言が私の人生を方向転換させました。何十年も研究を続けていても野菜を作れない農学なんて能書きでしかない…農家になろうと決断した瞬間でした。前述した批判書は、まさに大学の研究者が書いたものでした。「だから農業は駄目なんだ!」という農家に対する偏見と侮蔑ばかり持っている現場を知らない人々…私も農家になって初めて見えてきましたが、農学と農業はまったく別のものだということを批判書の著者にもはやく気づいてほしいものです。

 欠点や弱点を言い当てることは意外と簡単だと思います。しかし、良い点を見つけ、伸ばしてあげることの方がはるかに難しいことだと思います。日本の農業の行く末…現場を知らない有識者が舵取りをしている頼りがいのないわが国の農業政策、何か私に出来ることを探していきたいと思います。

農薬と化学肥料を使わない安全でおいしい野菜は→珠樹自然農園です♪

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徒然なり | 21:28:11 | コメント(0)
ちょっとした奇跡がとても嬉しかったです
今頃去年の11月の記事ですみません。。

 11月は「秋」だという人が年々少なくなってきているそうです。ひとつには雑誌やテレビなどのメディアは常に時代の先取りをしています。季節についても同じことが言えます。残暑がまだまだ厳しくて汗をかきまくっている時期に鍋物やシチューの「フーフー熱々」なコマーシャルを平気で流します。デパートや百貨店の洋服売り場もしかりです。冷房をガンガン効かせている店内にマフラーをしたマネキン…当たり前の風景なのでしょうが、なんとなくおかしくなってしまいます。人間は繰り返しテレビや雑誌で「もう秋ですよ~」と刷り込まれると簡単に従ってしまう生き物のようです。私も朝のニュースで「今日は冬の気配を感じさせる一日になるでしょう…」などとキャスターが言っているのを聞いて、一枚羽織る枚数を増やして農作業に向かったりします。軽く汗をかくぐらいで厚着のまま過ごしていると、年明けの厳しい寒さが体の芯まで凍みるような…あまりに早く防寒対策をしてしまうと寒さに対して弱くなってしまうような気がします。

今年の秋はとても嬉しいことがありました。夜の間に強風がビュンビュンと吹いたある朝、風に飛ばされて畑の中に集まってしまったスーパーの袋や発泡スチロールなどのゴミを片付けている時にある「紙片」を見つけました。あやうくゴミと一緒に捨てそうになってしまうほどの小さな紙にはこう書いてありました。「パラバルーンたのしかったよ」そして裏には埼玉県のある保育園の住所と園の名前が記されていました。ちょっと考えて理解しました。その紙片の上の方にひもを通してあったであろう小さな穴が開いていました。そして「パラバルーン」ご存知の方もいらっしゃると思いますが、パラバルーンとは幼稚園や保育園で園児達が行う遊戯です。カラフルな大きな布の端を円形に並んだ園児が持ち、広げたり、縮めたり、揺すったりして曲にあわせて演技を行います。その演技のクライマックスに布の中に仕込んだたくさんの風船を空へ飛ばしたのだろうと想像することが出来ました。そして、そのひとつがはるばる埼玉県から千葉県の北東部まで飛んできたのです!ビックリしました。そして、感動して心が温かくなりました。

 その日の夜、さっそく手紙を書きました。お子さん方が読めるように全て平仮名で書きました。送った手紙を読んでくれるかな。もしかしたら返事をくれるかな!とワクワクしながら数日を過ごしていました。送って10日ほどはポストをのぞくのが楽しみでしたが返事はありませんでした。「そんなもんかな…」と落胆し、少し忘れかけていた頃、大き目の封筒に入った待ちに待った返事が届きました。「園のパンフレットでも送ってくれたのかな」と思いながら開封すると、園児が書いた絵入りの手紙と担任の先生からの礼状、そして運動会当日にパラバルーンの演技を行っている時の写真が入っていました。園児のみなさんが書いてくれた手紙には「おへんじありがとう!とおくまでふうせんがとんでいってびっくりしたよ!」「うんどうかいがんばってはしったから2ちゃくになったよ!」というコメントが…「返事を書いて良かった!世の中まだまだ捨てたもんじゃない!」紙片を拾った時よりもさらに感動しました。偶然の出会い…とても貴重な素晴らしい経験をしました。

 現代社会において、人と人との結びつきはあまり重要視されていない、人付き合いをしなくても普通に生活することが出来るし、むしろわずらわしいという若い方もいらっしゃると思います。私も都内で一人暮らしをしていた学生時代、アパートの隣に誰が住んでいるかわからないというのが普通でした。しかし、今現在住んでいる田舎では、子供の通う小学校の保護者の方や地域の人々と交流する機会が多いです。地域の安全パトロールや行事を率先して行っている人々の高齢化が進んでいる現状を考えると私達30~40歳の人間が頑張らなきゃいけない時期にさしかかっていることを実感します。しかし、一人では何も出来ません。やはり、同年代の人々との結びつきというものが重要になってきます。これからも人と人との結びつきや人との出会いを大切にしたいと思います。今回は農業とは離れてしまった内容にも関わらず、最後までお読みいただきましてありがとうございます。

農薬と化学肥料を使わないおいしくて安全な野菜は→珠樹自然農園です♪

テーマ:農業 - ジャンル:ブログ

徒然なり | 21:24:28 | コメント(0)
やりたい仕事をやりましょう♪
 10月は、昼夜の温度差がとても激しく、日中は汗ばむほどの天気でも、日が落ちると急に肌寒くなり、慌てて上着を羽織るというまさに季節の変わり目に相応しい気候でした。これは体調を崩しそうだなと思い、手洗いうがいを励行していたのですが、見事に風邪をひいてしまいました。農業は生き物相手の仕事なので「病欠」しにくい職業です。朝晩の鶏の世話…大した仕事ではないのですが、餌あげと水の交換が毎日必須です。そして、ご注文いただいている野菜の収穫出荷作業も1日程度でしたら翌日にずらしていただくことは可能ですが、どうしてもこの日に私達の野菜が必要だというお客様もいらっしゃいます。その場合は無理をしなければなりません。農家に限らずどんな仕事もそうですが、体調を崩している状態で仕事をやる大変さは十分わかっているので、風邪の予防と罹った初期の段階での薬の服用を心がけていたのですが、今回は症状の悪化に歯止めが利かず、とてもキツイ数日間を過ごしました。

 数年前、風邪をひいた時に、「風邪で大変でしょう。休んでください。今回は仕方がないので八百屋か他の農家に注文します」というお客様の優しいお言葉に甘えて、収穫発送を休んだことがあります。その翌週、そのお客様からの注文数が減り始め、ついには注文がなくなってしまいました。「鮮度」というキーワードにこだわらなければ、八百屋から買った方が安いし、確実だし、そして、24時間年中無休で注文を受け付けてくれるし…という経験をしました。その頃はまだ若かったので「土日も休まず年中無休でやらなければ八百屋にお客様をとられてしまうのだ!」という気持ちになり、「家族と過ごす時間なんて損をしているのだ。時は金なり…遊んでいる暇はないのだ!」などという気持ちで無理を重ね、ストレスを溜め、ついには仕事自体が面白くなくなってしまいました。

 そのままの状態で続けていたら、もしかしたら農業を辞めていたかもしれません。考え方、取り組み方の転機となったのは大震災でした。世の中はとんでもない状況に陥り、あらゆる生産消費活動が一時的に停止しました。言い方はまずいかもしれませんが、強制的に仕事が出来ない状況になりました。その時、私の中で「やりたいこと」を最優先して出来る状況になりました。何をその当時やりたかったのか?それは「ボランティア」と「家族との団欒」でした。昼間は津波で被害を受けてしまった地元の海岸地域へ行き、砂のかき出しや瓦礫の除去作業に没頭し、夕方に帰宅して子供とゆっくり風呂に入り、夜は子供とトランプやすごろくをしたり、他愛のない学校生活やアニメの話をしたり…震災前は自分の中で否定していたことが、実は一番やりたかったことだったのです。この10日間あまりの期間、野菜と鶏の世話は必要最低限しかしませんでした。

 仕事に距離を置いたことで見えてきたことがありました。独立して農業をはじめた時に「やりたかったこと」に対して、盛りだくさんの肉付けをどんどんしていって、いつの間にか達成しきれない「辛いノルマ」になっていたことに気がつきました。従業員を増やして、耕作面積を拡大して、売り上げを伸ばして、会社を大きくして…という方向性しか見えていなかった時は本当に苦しくて辛い時期でした。「おいしい野菜をお客様のためにつくる」という原点にもう一度もどることができました。スタンスが変わったのと同時期に、地元である千葉県旭市に飲食店をオープンする若い世代の方が増えてきました。調理師の専門学校を卒業後、東京で10年以上に渡ってフレンチやイタリアンの店で腕をみがいていたが、そろそろ地元に恩返ししたいという崇高な志を持って店を始めた人たちを応援するなって言われても応援しないわけがありません。田舎の人はファミレスで慣れてしまったというか、形成されてしまった悲しい外食スタイルがあります。私も若い頃はそうでしたが、注文してから料理が供されるまでの時間が待てないという傾向があります。そして、見慣れない食材が入っている料理を嫌う傾向があります。しかし、最近のグルメブームによってテレビや雑誌で都内のレストランなどが頻繁に紹介されていることで、「待てない」「食わず嫌い」という障壁が取り除かれているそうです。

 「やりたい仕事」をしている喜び、それは田舎で新規独立した料理人の方も同じ気持ちを抱いていると思います。しかし、やり方を誤ってしまうと「仕事」が「趣味」になってしまい商売になりません。逆に無理をし過ぎると「仕事」は「ノルマ」になってしまい、情熱が注がれない中身のない物になってしまいます。人々を喜ばせながら、自分も働く喜びを持ち続け、収入も維持することが出来る。プライベートも充実して…難しいことかもしれませんが、簡単なことかもしれません。さじ加減を考えながら、これからも楽しんで農業を続けていけたら幸せだなと思います。

 無農薬野菜はいかがですか?珠樹自然農園のHPはこちらから

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徒然なり | 22:18:03 | コメント(0)
十五夜のお団子は何個?
 各地で最高気温の新記録や猛暑日の連続日数の記録が更新された今年の夏は、9月に入っても日本全国で「暑さ」の猛威をふるい、畑のある千葉県旭市でも、9月なのに連日の30℃超え…心の底から早く秋になって欲しいなと思いました。「9月になれば多少は涼しくなるさ!」という楽観的な考えはいとも簡単に裏切られ、天気予報の降水確率に一喜一憂し、「曇り40%所により一時雨」などという予報を見た朝は、晴れ晴れとした気持ちで一杯なのですが、午後になっても快晴のままの空を仰いで「やっぱり予報ハズレか…」と落胆するような日々を過ごしているうちにある結論に達しました。天気予報を当てにしないということと「毎日晴れるのが当たり前なんだ」と思うことにしました。そういう心構えでいれば、たとえわずかの間でもくもりになった時にとても嬉しい気分になります。しかし、お彼岸の頃には急速に秋めいてきて、連日すっきりしないぐずついた天候となり、どんよりと曇った空から時折、日差しが指すとあんなに憎らしかった夏空が懐かしくなったり…日射量が足りないためにサラダ野菜の発色が悪くなったり、茄子の紫色が薄くなったり…ちょうど良い天気というものは一年の内でもほんの僅かしかないのだなということを実感した月でした。

 9月といえば中秋の名月。今年は台風の影響で見ることが出来ませんでしたが、供えるためのお団子を買いに和菓子屋さんへ行きました。そこで聞いたお話をひとつ。月見団子は「15個」というのは、私は子供の頃から祖母や母から教えられてきたので、絶対的な個数だと思っていました。「13個」は十三夜の時に供える数でそれ以外の個数は無しだと思い込んでいました。しかし、和菓子さんで聞いた話では、お月見のお団子を「家族の人数×2個」という計算で買いに来る若い世代の方が増えてきたということでした。和菓子屋さんは「十五夜のお団子なので15個一皿と昔から決まっているのです。それ以外の個数では販売しておりません」と、ばら売りは断っているそうです。そういったお客さんの大半は、明らかに不満顔で帰っていく人ようですが、和菓子屋さんはそれでいいと言っていました。私も同感です。昔ながらの行事や決まり事を時代に流されて変えてしまっては、日本古来の文化を喪失してしまう恐れがあります。お月見のお団子を家族の人数分くらいしか必要がないという方は、コンビ二やスーパーで8~10個入りのパックで売られているものを買えば良いと思います。

 話は変わりますが、今の時代は、人と関わらなくとも買い物を簡単に出来る時代です。インターネットの急速な普及によって、パソコンや携帯で注文をして翌日には欲しいものを入手することが当たり前です。お取り寄せのお菓子や旬の果物、電化製品や布団、中にはペットの動物まで購入することが出来ます。ありとあらゆる物が購入対象となり、即納されることが素晴らしいという風潮さえあります。野菜も例外ではありません。私の農園もインターネット販売を少しばかりですが行っております。メールを使ってお客様へ到着日の連絡などを差し上げているのですが、先日、曜日と時間の指定をされていたお客様へ野菜を送った時に問題が発生しました。これまで、ほぼ100%のお客様が指定の曜日と時刻にお送りした野菜を受け取っていただいていたのですが、今回は翌日になっても留守で連絡先の電話番号へ掛けても呼び出し音のみで連絡が取れない事態になりました。何かしらの急な用事が入ったことで指定日時刻に荷物の受け取りが出来なくなってしまっただけであれば良いのですが…この文章を書いている段階ではハッキリしたことはわかっていません。食品のインターネット販売を行っている知人はこれまで数件、キャンセルの連絡は無いけどずっと不在で、連絡先へ電話を掛けても通じないという事態に陥ったことがあるそうです。そのような状況にならないことを願うばかりです。

 今日、和菓子屋さんへ立ち寄った際に、ちょっとした団子にまつわる話をしたり、地元の世間話をしたりするとやはり物の売り買いというものは、コンビ二的では味気ないなと改めて思いました。しかしながら、インターネットの利便性は捨てがたいです。うまく使い分けていければいいなと思います。野菜づくりも同じことだなと思います。どこでも買える普通の野菜ではなく、ここでしか手に入らない野菜を目指して頑張ります。

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徒然なり | 23:31:29 | コメント(0)
初秋の頃いかがお過ごしですか?
やっと追いついて秋!

 暑い・・・今日も暑い!!朝になると青空のどこかに雲があるかな~?今日は曇るかな~?という私の切ない希望は、真夏の強烈な太陽にいとも簡単にかき消されて、まるで水を被ったかのような大量の汗をかきながらの農作業、スポーツ飲料やお茶をがぶがぶと飲んでも、あっという間に汗として出ていってしまいました。朝から農作業をしていると、太陽が高い位置に昇っていく動きに連動して気温が上昇していくのが良くわかります。風の吹き方も、日の出の前までは吹いていたのにパタッと無風になってしまう日やその逆の日もあります。風が少しでも吹いていてくれれば、農作業が少しは楽になります。しかし、無風の日中の畑は、野菜達の呼吸と草いきれで呼吸をすることすら苦しくなるような状況になってしまいます。

 「夏の農作業は、朝と夕方。昼間は昼寝するに限る。日中に農作業をしているのは、欲深いか、貧乏人か、素人か、馬鹿な人間だ!」と私達の地域では言われています。いくつ自分に当てはまるのかな・・・と考えたりもします。馬鹿かもしれないが欲は深くはないかな?貧乏かもしれない・・・素人?長年のキャリアがある農家から見れば、私はまだまだ素人かな?実際のところ、一般的な農家さんは、1種類もしくは数種類の野菜を作っている方がほとんどで、朝と夕方の涼しい時間帯に家族総出で収穫と管理作業を終わらせてしまいます。日中は、出荷のための箱詰めを行います。ところが、私達のような多品目の野菜を栽培していますと、午前中の比較的、涼しい時間帯にサラダ用の野菜を収穫し、日中のとても暑い時間帯には、人参やかぶなどの根菜やナスやピーマンなどの果菜を収穫したり、害虫の駆除(葉を観察して蛾の卵や幼虫を取り除いたり)をしたり、肥料を播いて畑を耕したり、草取りをしたりします。夕方、涼しくなると種まきや野菜の整枝作業(収穫に不要な枝や葉を取り除いて、実を付ける枝に養分がきちんと行き届くようにする)などを行います。品目が増えることで手間もその分増えてしまいますが、それは私達が望んで行っている農業スタイルであり、仕方の無いことだと割り切っています。「暑さ寒さも彼岸まで」と思って頑張ります。

 最近、テレビや雑誌などで「おいしい野菜の見分け方」という記事を良く見かけます。料理人の方やマイスター、農家の方が、例えば、美味しい茄子とは「光沢があって全体的に紫色がきれいで、整った方錐型をしていて、ヘタが紫色でトゲが尖っていて、ヘタの先がピンとしていて・・・」という条件があげられています。ピーマンは「ヘタの部分が鮮やかでピンとしているもの、緑色が均一に濃くハリとツヤがあるもの、肉厚でやわらかなもの」とあります。トマトなども「丸くて固く、実が引き締まっているもの、ずっしりと重いもの、へたが青く生き生きしているもの」と説明されています。自分の育てた野菜を見てみると・・・茄子の形はまあまあですが、農薬による消毒が出来ませんので、ヘタはうどんこ病で洗っても斑点模様のようになってしまいます。アブラムシやコナジラミのせいで実の色つきも均一にならない時があります。ピーマンは、肥料として土に施す硝酸態窒素の成分が少ないので、緑が薄くて肉質は薄めです。ヘタもコナジラミに汚されてしまいます。トマトのヘタは灰色かび病によって萎れてしまうので、なるべく取り除いて出荷をしています。

 農薬を使わないで育てた野菜は、可食部以外の部分に病気や害虫の被害痕を生じやすいです。ところが美味しい野菜の見分け方というものは、その部分に着目して野菜の良し悪しを判断する材料にしています。また、野菜の色や見た目を良くするために効果的な「硝酸態窒素」という肥料の量によって野菜の色は濃くも薄くもなります。また、人参の肩の張りを立派にしたり、小松菜などの葉物野菜の照りも良くしたりします。硝酸態窒素は適量でしたら、野菜の生長を早めて、見た目を立派にし、購買意欲をそそる野菜にしてくれます。しかし、必要な量以上を土の中に投入してしまうと、水に溶けやすい硝酸態窒素は、地中やその周辺に浸透しやすく、地下水に混入しやすいです。その水を家畜の飲料水として利用すると貧血を引き起こします。乳幼児も硝酸態窒素を多量に吸収した野菜を摂取すると貧血や嘔吐を引き起こします。「見た目が全てではない」と声を大にして言いたいですが、市場に流通している野菜の98%は、農薬と化学肥料を使った普通野菜です。わずか数パーセントのシェアに過ぎない有機野菜の生産者の一人である私が「本当はこうじゃないんですよ!」と反論するのも筋違いです。しかし、最近になって有機野菜を欲しがる料理人の方が増えてきました。そういった方々は市場で販売されている野菜や八百屋が持ってきてくれる野菜と同じ基準で有機野菜を見ている傾向があります。葉に小さい穴が開いている訳や人参がなで肩である理由や野菜の緑色が薄い訳について、珠樹自然農園の野菜を欲しいといってくれる方には説明していきたいと思います。

おいしい秋野菜はいかがですか?農薬と化学肥料を使わない珠樹自然農園の野菜通販はこちらです

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徒然なり | 23:28:58 | コメント(0)
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